163 デザインノート
先月の野田凪さんの死は、尾を引いていて、そんなに知っていたわけじゃないのに、ふとした時、彼女をおもう。
野田さんの最後のインタビューなども掲載されている『デザインノート』を買ってみた。
野田さんを筆頭に、18人の女性クリエイターの作品やインタビューが出ている。
こういう雑誌を眺めていると、ワクワクするし、自分の若き日々を思い出す。
私は、バクゼンと、感動を伝える仕事、創作の仕事に就きたいと思い、最初はテレビの仕事に憧れたが、就職活動では平行して広告会社も受けた。大手しか受けなかったし、撃沈だったけど、例えばマッキャンエリクソン博報堂(今は合併を解消)の受験ではCMの絵コンテも提出した。カリフォルニア米がテーマだったんだけど、なかなかステキな絵コンテが描けたと思う(しかし撃沈・・・そのくせ、マッキャンエリクソン制作のCMを見て(ナイキとかあの頃です)、「あれ?あのアイデアは私が提出したものではないか!」と勝手に勘ぐっていた:笑)。
就職活動の時も、テレビの仕事を辞めた直後も、本当にやりたいことが何なのかうまく分からなかったけれど、クリエイションの現場に関する記事に触れていると、たまらなく燃えてくるのだった。
今回の『デザインノート』も、色んなクリエイターのいい仕事、いい言葉を教えてくれたけれど、中でも例えば、森本千絵さんの
「明確に伝えたい『何か』が絶対にあって、それをプロとして責任を持って届けたいんです。ちゃんと人とタッグを組みながら」
「『アートディレクターになりたい』と訪ねてくる人が多いんですが、『何々になりたい』ではなくて『何々がしたい』だと思うんですよ・・・」
ガツンとくるね!(作品もご本人もホンワカした雰囲気です) 客の反応やセールスを意識することを当然とする広告業界のクリエイターから学ぶことは多い。
森本さんには、博報堂の採用試験の際、トラック一杯の課題作を提出して入社を決めたという逸話があるそうだ(現在はご自身の会社『goen』設立)。
そして、イラストレーターの奥原しんこさん。
12年前、テレビのADをしていた頃、まだ無名だった彼女に会ったことがある。と言っても、表参道でふと入った個展で見かけただけなので、奥原さんは私のことを知らない。その時提示されていたプロフィールを見ると、「フジアール勤務」という、自分と似たような状況だったので、「忙しい合間を縫って、自分の作品もつくっていて立派だなあ」と思った。雑誌や広告を細かく細かく切り抜いてコラージュ作品をつくっており、その創作意欲に大いに触発された。
のちに、奥原さんの仕事を見る機会ができ(例えば西加奈子さんの『あおい』『さくら』や、中島らもさんの『心が雨漏りする日には』のカバーの絵等々)、勝手にうれしくなった。
がんばってるんだな。がんばりつづけてるんだな。って。
最近の彼女の作品からは、横尾忠則やつげ義春みたいな大物感を覚える(みたいな、というのは失礼かと思いつつ、絵が進化していて驚いたんです)。
華やかに見える現場の彼女たちを突き動かしている原動力は、なんといっても「Passion」だと思う。
野田さんは、インタビューでこう語っていた。
「今、一番やりたいのは映画。実は小学校の頃から映画監督になりたくて。原作を3本平行して書いています。でも夢だから簡単には手を出したくないんですけど」――
本当にさみしい。
☆奥原さんのHP
☆野田凪さんについて触れていた篠原ともえさんのブログ。勝手に近い気持ちで泣きました。
http://walker.zozo.jp/tomoeshinohara/p_7600.html
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